好みとか、自分の得手言うのがあるやん
●こんにちは
はい、こんにちは。
●品数が
そうやなあ。朝が多いからな。うん。
今日はたまたま少ない。
お金がなかったから。買われへん。
●品揃えはどういった
どう言ったって。
魚屋言うたら、だいたい自分が行って、自分の好みを買うて来るのちゃうかな。昔やからな。
今の若い子は知らんけれど、品揃えを重点に置くんか知らんけれど、昔はだいたいそうや。どないしても片寄る。
好みとか、自分の得手言うのがあるやん。
●ご主人の好みは
ううん、どうやろな。
そやから珍しい物、言うことになるかな。
どこにでもあるアジサバとか、そう言うなんあんまり置かへんかな。
そやけど今は置かなしゃあないからな。
品数が昔と比べたら。
よう聞くやろうけどあなたたちも。
もうな、20年30年昔と比べたら、品数が半分以下に減ってるわな。
海水が高いから昔獲れよった魚が獲れへん。
だから魚屋で取材するより漁師で取材したら一番よう分かるわ。
漁師がな。魚が獲れへん言うて嘆いてると思うよ。
エビはもうなんぼでも使えるもんな
●このエビは
生きてるやろ。生きてないか。
揺らしてみ。寝とうか。
そんなんネジ巻いてもうたら動くと思うよ。
ここは冷気が掛かっとうからな。冷たいから。
普通ならもっと動くけど。今はな。
その中入っとたら冷たいもん。
それはシラサ。
料理は一緒や。生で食べたり天ぷらフライとか湯がくとか。
エビはもうなんぼでも使えるもんな。
お金を考えへんかったらな。
お金考えたら冷凍からいろいろ有るやろ。入れる物によって。
八宝菜やったらそんなん入れたら勿体ないやろうしな。
1匹200円要る。200円くらい付くやろ。
焼くとかな。
大っきい大っきい。大っきいで。滅多に入らへんと思うよ
●手のひらのサイズのハマグリが
手のひら?
こんなほんな大っきい言うこと?
ハマグリ?
これか。あ、これか。
これハマグリやで。
そうやな。大っきい大っきい。大っきいで。
滅多に入らへんと思うよ。
焼くか蒸すねん。身いっぱい入っとるよ今。
だから大アサリでも焼いたら美味しいやろ。
それより美味しい。ハマグリはな。
ハマグリは昔からあんねんからな。奈良の時代から。
アサリも居る居る。貝塚にアサリあるやん。大森貝塚とか。そう言うとこにな。
昔はこの貝殻を使いよった。
ボタンとかかんざしとか。
それか貝合。歌を書いてこうやって合わすねん。今のトランプみたいな物や。
口紅もこんなんに入れてな。
品揃えの店へ行くか。今日は何があるかなと思って来はるお客さんが居るんと
●干物も
うん、置くよ。作る。
今日はもう無い。
今日はどっこも魚屋さん少ないと思う。品物。
天候にな。
急に冷え込んだりなんかしたらね。魚が活動せえへんからな。あんまり釣れへんな。
●仕入れでこだわっていることは
うちは売り切る言うこと。
売り切ったら絶対明くる日新しいの仕入れられるな。
残ったら、それが有ったら次買われへんやん。
そりゃお客さんがあれ欲しい言われたら仕入れてくる。もちろん。
そやけどお客さん言うたらだいたい店に付くからな。
ここの店はこんな店やな、ここの店はこんな店やな言うのが分かるやん。
だからそこへだいたい買いに行きはるわ。
ここの市場は大方決まってるわ。
8割方決まってるんちゃう。固定客言うことやな。
やから品揃えの店へ行くか。今日は何があるかなと思って来はるお客さんが居るんと。
もう献立を考えてきたら品揃えのところ行かなしゃあないやん。
料理番組見とって、例えば今日はこんなんやったとメモしてきはるお客さんはな。それが欲しいわな。
その日来て、なにげにあるわなと言うやつや。
正月に食べんねやったら、ええのん置かんとな
●いくらか預けて
ああお金か。預かってるよ。
そう言う人も居はる。
無くなったらまた入れはる。
もう向こうから言うてくれはる。もう無いやろ言うて入れてくれる。
ここらそんなとこわりかしあるんちゃうか。何軒か。
暮れなんかなったら多いで、先に預けときはる人。
毎年のもうな。うちらでも何十年やからな。
●暮れというと
暮れ言うたらやっぱり正月用品なってくるやん。
●鯛とか
それももちろん居るわな。そやな。簡単やな。鯛とか言うてな。
要するに30,31で食べんのんか、正月用品言うて正月に食べんのんかや。
正月に食べんねやったら、ええのん置かんとな。
中央市場が30日や。
一応31もあるけれどな。それは残り物だけやろ。
1,2,3。4日からや。初売りは。
ほな3日間、持つようにせなあかんやん。
やから、昔言うたら冷蔵庫あんまり無いな。
きずしにしたりとか、味噌漬けにしたりとか。
そう言う加工をしよったんや。
ほな加工するの悪い物加工したら、よけいあかんようなるやろ。
ええ物加工するとかやってんけど、今冷蔵庫が普及しとるから、刺身なんかでも。
で中央も水槽があるやん。
だから品物ってピンからキリまであるから
しかし食べんの決まっとうんやね。お客さんて。
君らだってそやと思うねん。
いろんな物見ても1回は食べるかも知れへんけど、次から食べへんと思うねん。
おかずのサイクル言うたらずっと決まってない。せやろ。
好みいうて決まってくるやろ。
お客さん珍しい物そない続かへん物も多いもんな。
それでお客さんその代わりあれやわな。こんなん言うたらあかんけども。
お金言わんようなる。お金は難しなるやん。そないなるやろ。なあ。
このサバこれ、こんだけで200円やんか。安いやんか。これ。
そこに有るサバやったら生のをそのままで炊いてもへんのに半分で500なんぼ付いてるやろそれ。半分でやで。
じゃあこれやったら、炊いて仕上げてちゃんと200円や。
品物やったらこんだけ違いがあるわけや。
これも家で炊いたらこんな美味しいに炊かれへんけれど。
いやいやそこらや。
だから品物ってピンからキリまであるから。
●サバ人気やって
これは喜んでくれてはるな。
だからもちろん支持もあるやろうけど。
値段が200円や言うところやろな。一番は。
そう言うてくれたら嬉しいけどな。
ほんまはやっぱり値段やって。
ああこれでな。そこにも出して。よう売れる
やっぱり量ようけ炊いたら、こうグツグツグツグツ、ある程度な。煮るやんか
●これはもり市場に
そうそうそうそう。
ここにも置いとうねんで。
うちだって売らないと。
ああこれでな。そこにも出して。よう売れる。
●うちではなかなか
そうやな。家ではみなそない言いはるな。
それは量やろ。量ようけ炊くんと。
やっぱり量ようけ炊いたら、こうグツグツグツグツ、ある程度な。煮るやんか。
ほなそこによって艶が。艶言うのか。泡、泡状の物が出るやん。
●他には
そらまあ、みなもうどこでも魚屋するやろうけど、くぎ煮とかが炊くん。
炊くとなったらな、くぎ煮とか。
メバルの煮付けとか、鯛のあら炊きとか、そう言うなんやな。
絶対譲れへん言うのは新しさやろうな。新鮮さやろうな
●魚屋さんで修業を
修業してたよ。
いろいろ行ったよ。
三宮で氷屋さん行って。
姫路の中央市場へ行って。
それから京都の錦の料理屋さんへ行って。
で後は魚屋何軒か行った。
●魚佐多さん始めたのは
始めたんは24か5やな。10年ほど前かな。
40何年。森市場から。
●ここだけは譲れないところは
絶対譲れへん言うのは新しさやろうな。新鮮さやろうな。
分からへん人はだんだん多くなってきた言うのは事実やろ
だからお客さんを裏切らへんことやろなあ。
それ、そこやと思うで。
だから残った物は、これは昨日のやで言うて言うときしょっちゅうあるからな。
ほな昨日よりは今日一日残っとったら値段は安う売るやん。
それ承知で買ってね言うことや。
食べたら分かるからな。舌の肥えとう人は。
分からへん人はだんだん多くなってきた言うのは事実やろ。
それ美味しない。まあ言うたら味をごまかせるいろんな物が出てきとる言うことやろな。
そやから生で食べたら一番味よう分かるやん。生か塩焼き。
煮付けやらとかフライとかムニエルとかしたら、掛けるドレッシングによってそんなもん全然変わるやろ。な。そやろ。
洋食屋さん行ってもドレッシング掛かっとってどないかしてあったら分からへんもん。冷凍やら生やら。
●ここに来れば
と思ってくれはるお客さんがだんだん少ななってきた言うことや。
特別な日に来てくれたらええ、若い人はな
それはな。時代や。しゃあない。
なんでか言うたら所得との兼ね合いや。
そんなん若い人だって分かってるはずや。美味しいのは。
そやけど、そんなことしよったら子ども育てられへん。
だからどないしても年齢層が上がってくるわ。
子どもも育てて、ある程度子どもも巣立ったなあと言うお客さんは、食に贅沢しよる。
そらもう自然の理や。
ほなその時なって所得も多なっとるやろしな。
初任給の時にそんなええ物、食べられへん。
特別な日に来てくれたらええ、若い人はな。
●定休日は
火曜日で
●趣味は
趣味ですか。趣味はぶらぶら歩いてます。
京都奈良とか。
歴史や。歴史好きや。
●ご夫婦で
いやいや、1人でしてる
●ありがとうございました
ありがとうございました