どういった状況でどういうふうな痛みがどう続くのか自己自身でチェックしてみてください

どうされましたか。今日は。

●先生ちょっと胸がしんどいんです

ああ、なるほどなるほど、はい。
それって、いつ頃からしんどいの?

●たまに動悸がするんですけど

なるほど
なるほどなるほど
それは何かしてるとき?

●いや普通にしてるとき

ああそう。
よくあるのはね。
階段を昇るやとか、自転車漕ぐとか、運動したときにドキドキすると言うか。
その場合は、多くは心臓だとかね、肺が原因であることが多いんですよね。

で、安静時というか、何もしてないのにドキドキすると言うか、いろんなことがありますね。
例えば年齢によっていろいろ有るしね。
例えば45から50過ぎの女の人でそうなるのは更年期障害かも知れないし。
それからあと時間帯ですよね。
明け方に決まってね。胸が苦しくなる。あるいは痛くなる人。女の人多いん。
それはある特殊な狭心症かもしれません。

早朝に起こるのがよくあるんやけどね

●ちょっと気を付けてみてみます

そうそう1回ね。
どういった状況で、どういうふうな痛みが、どう続くのかと言うことを1回ちょっと自己自身でチェックしてみてください。
そうチェックすることで、我々も診察あるいは診断、治療の上で非常に貴重な情報になりますので。
ぜひ教えてください

●分かりました

あくまでも町医者であって、町医者って言うのは何でも出来て町医者やと思っているので

●先生もともとどういった?

もともと僕は心臓血管外科だとか、呼吸器外科ですね。そこをやってまして。
でまあ開業するにあたって、まさか大それたことは出来ないので、今のところは循環器、それから呼吸器ですね。
で多少なりとも外科の経験がありますので、外科という形で、今 開業してますね。

●手術とか?

もうそんな大それたことはしてないですね。
やっぱり出来ないですよね。
手術言うのは、しっかりした、あの何というか、施設が要るのでね。

我々というか僕が普段思っているのは、あくまでも町医者であって、町医者って言うのは何でも出来て町医者やと思っているので。
一つの科、特定の科にこだわらずに、患者さんの要望、ニーズに応えていくのが町医者の役割やと思ってます。

あのね。まず、患者さんに語ってもらうということね

●患者さんに対して先生が意識してらっしゃることは?

あのね。
まず、患者さんに語ってもらうということね。

あの実は、僕が大学病院の時に上司の先生に教えられたのが、しっかりと患者さんの話を聞きなさいと。
ほんで、しっかり話し聞くことで、あらかた、だいたいね。診断がつく。
あるいは診断がついたら、次、治療法も決まる。
それからさらに、その病気がどうなるかというのも、ちゃんと分かってくるので、患者さんの話をしっかり聞きなさい。

ほんで、検査はその後やと言うことは言われました。
もう口を酸っぱくして言われました。まず聞くことから始まると。

だからもう、大きな病院行くと、どうしても検査検査検査ってことになるんですけども。
やっぱり患者さんに語っていただくこと。

大事なのは患者さんとね。二人で病気の物語を完成させることです。

これが大事なことです。僕は常にそう思ってます。

だから僕はねえ。できる限り専門用語は使わないようにしてます

●お話聞いてくださらないと感じるお医者さんもいますね。

まあ皆さんね一生懸命ね。やってはる。
まあ一生懸命さ、一生懸命やるが故にまあそう言う結果に陥ってしまうんやけどね。
より正確にものを伝えたい、正確に判断したい、正確に治療したいという思いが強ければ強いほど、そうなるんですけども。

そこはそこで一歩引いた形でね。
まず患者さんのお話を聞いて、そっから我々が考えて、先ほど言うたように病気の物語、ストーリーを完成させると言うことが大切だと思っています。

●専門用語を使われたりすると

ああ、なるほど。
だから僕はねえ。できる限り専門用語は使わないようにしてます。

専門用語を使うと我々楽なんや。正確やから、間違いが無いから。
ところが専門用語を使わないようにすると、ちょっと曖昧な部分がでてくるんやけども、僕はもうそこは覚悟してます。

でもやっぱり、分かりやすい言葉で伝えてあげるというのが、やっぱり一番かなと思って。
できるだけ専門用語だとか難しい表現は避けてます。

まずは生活の改善、生活習慣の改善から

●先生は病気の予防にも力を入れているとか

そうですね。
血圧が高ければ血圧の薬、あるいはコレステロールの数字が高かったらまあそれを下げる薬。
というのがまあ、一般的に考えられているところなんですが。

実は血圧に関しても、あるいはコレステロール高い、糖尿病の方もそうですけど、まずは生活の改善、生活習慣の改善から
そこを行った後に、まあ血圧が下がらないだとか、あるいは血糖が下がらない、あるいはコレステロールの数字が下がらない、その場合に初めてお薬飲む。

ただ最近の患者さんは、いろいろお忙しいので、なかなかしっかりと生活習慣の改善に取り組む余裕もないことが多いので、そういった場合にはもう僕のほうから、もう敢えてお薬使いますかという話をします。

そのつもりで診察をしています。

アロマで刺激することによって、若返ったとまあ考えてます

●アロマセラピーもされているんですね

そうですね。

まあ、最近はね。
お薬の治療に抵抗があるとかね。
あるいは強いお薬を使いたくない、たくさんのお薬を使いたくないという患者さん、結構居られますので。
そういったニーズに応える方法、まあいろいろ有ると思うんですけども、まあ僕自身はアロマセラピーが一つ有望な手段であろうと考えて、今 取り組んでます。

うん、あのね。
アロマセラピーが全てでは無いんですけども、例えば慢性の病気をお持ちの方で、少し気分が楽になったとかね。
あるいはお薬が少し減ったとかね。
そう言う方は、結構居られますね。

最近言われているのは、匂いを感じ取る神経、まあ嗅覚神経って言うんですけども。これが脳と繋がってて。
匂いの神経がだんだんやられて、それがどんどんどんどん奥の方に行って、脳にまで影響してしまうと。
で認知症に繋がると言うことが最近研究で分かってきてますので。
匂いが分からなくなると言うのは実は認知症の始まりである可能性は十分にあります。
そういう国際的な研究もあります。

だから、匂いで刺激を与えてあげると言うことは、非常に大切なことだと思ってます。

ご高齢者の方、まあ女性なんですけど。
高血圧症だとかいろいろお持ちの方なんですが、当初うちのクリニックに通院されてたときは、髪がまっ白、いわゆる白髪で、綺麗な白髪でした。
で、まあ、あることがキッカケでアロマセラピーを受けられるようになってから、受けられてからですね。
まあこれ、アロマのマッサージのことなんですが。そうですね。週に1回ぐらいかなあ、20分から30分の施術を受けてるうちに、髪の毛の根元あたりがだんだん黒くなってきて、ものすごく喜んで居られます。

要するに、僕は言うてんねんけど、まあ、あの若返ったんかなと。
今も非常にお元気にされてますね。

だからどう言うんでしょ。

そういった形でアロマで刺激することによって、若返ったとまあ考えてます。

お金を掛けずに出来ることはまだまだありますよ

●ストレッチも教えていただけるとか

あのね。僕が患者さんにときどき言うことがあって。
まあ何というか、こういう言い方したらちょっと怒られるかも知れませんけども。
お金を掛けずに出来ることはまだまだありますよ。という話はよくします。

その一つがストレッチ。

いろんなストレッチがあるんですけども、この前は五十肩でね。肩が痛いという患者さんが居られて。
そのストレッチをお教えしたら、もう良くなって非常に喜ばれてますね。

●教えてください

ああ、良いですよ。
その人はね。肩が痛くて。
まあ五十肩の症状は、肩が上がらない、手を後ろにすると肩が痛い、という方が居られて。
ほんで痛みがあるがために動かす範囲がどんどんどんどん狭くなっていくね。
で、狭い範囲しか動かないところを大きく動かすと痛いと言うことになるので、僕は患者さんに、肘でこう、ゆっくりと円を描いてくださいと。

円を描いてください。
まだまだそれは速いですね、もっとゆっくりで良いですよ。

ゆっくりと大きな円を描いてだんだんだんだんそれを大きくしてくださいと。
で、痛みが出たらもうそこでやめていただいて。

その同じ円を描いていく、それを日々やっていただいて、徐々に大きな円を描いていただく。
当然、後ろの方向にも前の方向にもこうして。
ほんで、これ可動域って言うんですけども、動く範囲が広くなってくるとだんだんだんだん痛みは和らいできます。

もうそういった患者さん、たくさん居られます。
重要なんですね。そういうような指導してます。

やっぱりアクセスってものすごく大事。毎日のことやからね

●先生、普通の先生とイメージ違いますね

それは先ほど言うた町医者ですから。町医者ですから僕は。

●いいな、このあたりの方

そう皆さんに思ってもらえたら良いんですけどね。

●大きな病院を紹介するときにこだわっていることがあるとか

ここは、神戸市、まあ端のほうになるんですけども。

どうも神戸の方、どうしても神戸大学だとか中央市民病院だとか、まあそう言ったところに行かれる方が多いんですが。
僕は患者さんを大きな病院に紹介する場合は、まずはアクセスを考えます。

結局、通院しなあかんし、仮に入院と言うことになるとご家族もそこに行けないといけないし
それから車持たれてる方は良いんですけども、電車で移動と言うこともあるので、アクセスですね。
阪神沿線沿いやったら阪神沿線沿いの病院、あるいは阪急沿いやったら阪急沿い、JR沿いやったらJR沿い、できるだけアクセスにその重点を置いて病院をお薦めするようにしてます。

ただまあ、それが全てやないので、ここの病院は今こう言った治療をしてますよとかそういう情報もお伝えした上で、ご納得いただいた上で病院は紹介してます。

結局ね。やっぱりアクセスってものすごく大事。毎日のことやからね。
で、状態が悪くなったらすぐ行かなあかんしね。

僕はアクセスが大事やと思ってます。

そういうなんリフレッシュですよね

そうですね。
まあ、そう言っていただけると非常に嬉しいし、町医者になって良かったなと思える一言ですが。

僕、美術館巡りとがが好きなので。
最近はですね。西宮の香櫨園の大谷記念美術館でマリメッコ展をやっておったんですね。あれ行ってきました。

実際、マリメッコがデザインして、ケネディ大統領のね。奥さんが着られてたワンピースも実際飾ってあったりして、非常に良かったと思ってます。
まあ、ぶらぶら歩けるしね。ほんで目も肥えるし、刺激にもなるし、美術館巡りは好きです。

数年前までは、実は、奈良のお寺を巡るのが趣味で、毎週のように車で古寺を回ってたこともあります。

そういうなんリフレッシュですよね。