静けさに包まれたその通りには、過渡期を迎えた市場の姿がうかがえる。

老舗の食料品店、小売店、喫茶ならぬBAR、そして就労支援サービスなど。
広く知られる市場のイメージとは程遠い。

鉄道模型が走る。歌声が聞こえる。粉もんを焼く音が響く。
鰹の香りが漂う。呼び鈴が鳴る。背広の人が行き交う。

ここは市場なのか、横丁なのか、はたまた近隣センターなのか。

失われた賑わいを取り戻すべく、孤軍奮闘する店主たち。
ある種のこだわりを捨てて、生き残る術を探る毎日。

汗をかき、知恵を絞り、ただひたすらにハングリー。
過渡期を迎えたこの市場は、多種多様な顔を見せている。

頑固力と対応力を駆使しながら、今日も市に立つ。

松尾 良彦|株式会社ラーベン・アンド・ニールセン 代表取締役/教育コンサルタント/人材プロデューサー。
ICHIBA♡KOBEプロジェクトでは、隠れた市場の魅力を発掘しています。