水垢の残るタイルの通路、歓迎のダミ声、古臭いラジオの音。
古き良き昭和の面影を残す市場の風景。
モールにはない優しさと泥臭さがここにある。

客層の大半は、年配の方々。
背筋の伸びた若者は皆無に等しい。

それでも活気あふれるミナイチ。
高度経済成長を支えた店主たちの意地なのか。

潔癖すぎる清潔さと丁寧すぎる接客が当たり前になった今、等身大で丁々発止を繰り広げる商売人は潔い。
飾り気のない人柄に、職人魂を感じる。

魅せ方ではなく生き様。
お客様の笑顔にこだわり、感動を提供する。

「儲からへん!」は照れ隠し。
目の前にいるお客様を笑顔にする。
心根は優しい職人たち。

時代は移ろい、人々の心は変わろうとも、変わらぬ思いを届けてほしい。

しかめっ面に隠された優しさと泥臭さがミナイチの魅力。
ぜひ一度、足を運んで確かめてほしい。

松尾 良彦|株式会社ラーベン・アンド・ニールセン 代表取締役/教育コンサルタント/人材プロデューサー。
ICHIBA♡KOBEプロジェクトでは、隠れた市場の魅力を発掘しています。